鉄道模型コントローラを作る3

今回は過負荷に対する保護回路の検討です。

過負荷になり大電流が流れてしまいますと出力段トランジスタの破壊の可能性がありますので、ある程度の電流がながれたら、その電流を検出して出力電圧を制限する回路を追加します。

まずは、制限電流値の仕様ですが、Nゲージ、HOゲージまで考えて2A程度のしておきます。

次に、方式の選択です。電流測定するのであれば負荷と直列にシャント抵抗を挿入し、シャント抵抗に発生する電圧を測定するのが一般的かと思います。シャント抵抗は、発熱、損失を考えるとできる限り小さくしたいのですが、小さすぎると発生する電圧も小さくなり、検出精度が悪化します。ここでは、0,47Ωとしておきます。

電圧の検出方法については、簡単なものではトランジスタのVbeを超えるか超えないかで検出する方法もありますが、ばらつきが大きいですので、ここではコンパレータICを使います。


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コンパレータのマイナス側入力には、10kΩと0.01uFのフィルタを構成し、ノイズ除去を行います。

コンパレータのプラス側入力には、マイコン用電源を抵抗分圧し、コントローラの負荷が2Aの際にマイナス側に発生する電圧(約1V)に相当する電圧を入力しておきます。マイコンは未選定ですのでマイコン電源の電圧は仮に5Vと置いておきます。


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sim結果です。緑線が負荷電流、青がコンパレータのマイナス側入力、水色がプラス側入力、赤がコンパレータ出力です。点線は負荷電流が2Aのポイントを示します。おおよそ1.95Aのところでコンパレータ出力が変化していることがわかります。あとは、このコンパレータの出力信号を使って出力段のゲート電圧を制御してあげればOKですね。